「魚小」 店主の独り言

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自分を知ろう!断られない営業とは

孫氏の兵法

2500年くらい前、戦争に勝つためのノウハウとして書物に登場しました。その書物の名前は「孫子」。一般的には「孫子の兵法」と言われる方が多いです。現代でもビジネスのバイブルとしても人気があります。

当時は、人数の差・勢い・運なんてもので戦争をしていた中、この「孫子」の登場で状況が一変します。論理的に考え、正しい準備をすることで戦う前に、勝ち戦の状況を作る。

その中で、正しい準備について書かれたこんな一節があります。 " 彼(相手)を知り己(自分)を知れば百戦危うからず。   彼を知らずして己を知れば一勝一敗。   彼を知らず己を知らざれば戦うごとに必ず危うし"

これを営業の話に落とし込みながら訳すと、次のような意味になります。

自分の価値観や会社の方向性を明確にし、相手の悩みやその業界の課題などについて理解すれば、営業で成果を出す可能性は一気に高まる。ただ、相手のことを理解せずに、自社の商品やサービスだけを理解していれば、成果は出たり出なかったり。そして相手のことも知らないうえに、自分の価値観に合わない売り方をしていたり、自社商品のよさすら理解できていなければ、営業するたびに悲劇が待っている

つまり正しい準備とは、

1.自分自身(自社)を知ること

2.相手のことを知ること

3.1と2を元に勝てる計画を立てること

この手順を踏めば、戦わずして勝つ、売り込まなくても自然とモノが売れるようになります。 出撃する前から勝負はついている状況を作るのが正しい準備。

「誰に(相手)」「何を(自分のサービス)」「どのように(勝てる計画)」売るか? このキーワードを埋めていく作業が大切です。

 

才能を開花させる正しい準備の進め方

それでは、正しい準備をどうやって進めればいいのか? その方法について紹介しましょう。

正しい準備のステップ1:自分自身(自社)を知る

自社の商品やサービスに対する知識はもちろん知らないといけない、それは当たり前。でも営業が楽しいと感じられるようになるのにもっと大事なことって、自分自身を知ることです。

・あなたが、この仕事をやる理由が自分で納得できるものか?

・あなたが毎日生活する上での根幹の感情がどんなものか?

・あなたは、この役割を通してどのように人の役に立てると思うか?

この辺りの問いに前向きな答えが出せると、自然とエネルギーが湧いてきます。

「そもそも、自分がやりたいことを仕事にできる人なんてほとんどいない」 そう思っている人の方が圧倒的に多いはずです。 仕事にやりがいが感じられなかったり、自分に自信がもてない人は、意外に自分の根幹の感情に向き合えてなかったりするものです。

でも”自分がやりたいことの視線”を変えるだけで、目標や夢は一気に現実味を帯びてくる。 自分がやりたいことが現実味を帯びてくると、自信も持てるようになる。

正しい準備のステップ2:相手のことを知る

「相手に断られるのが嫌だ……」 仕事とはいっても、自分自身を否定されている気分になるので耐えられない。 実はこの問題はステップ2を飛ばして出撃することで、起きる問題です。

この問題は簡単にいうと

・ターゲットが具体的に決まっていないのにトークだけ出来上がっている

・ターゲットは決まっているだけで、悩みや状態をよく知らないから的外れなトークになっている

・ターゲットの立場を理解しないで接するのでイライラされて断られる

この辺りが原因になっています。

ターゲットとは、あなたが商品やサービスを提供したいと思っている見込み客像のこと。 ターゲットが定まってなかったり、相手が何を悩んでいるのかを理解せずに思い込みで行動すれば、相手に拒絶されるのは当然の話です。

まずは、

・あなたが誰の役に立てるのか?

・相手は何に問題を抱えているのか?

・その問題はどうして引き起こされているのか?

このあたりをちゃんと知ることが大事です。

正しい準備のステップ3: 1と2を元に「勝てる計画」を立てる

ターゲットを特定して、相手の悩みや課題も理解している。

そして自分が相手の役に立てるポイントもわかっている。

ここまで分かれば作戦を立てます。その作戦は当然、相手に押し売りすることなんかではありません。相手の悩みの解決にあなたのサービスが最適だと、自然に感じてもらうための作戦です。

売り込まなくても、相手から「売ってほしい」「手伝ってほしい」って言ってもらう作戦を練りましょう。

 

「断られる営業」と「断られない営業」の決定的な違い

見込み客に断られるのには理由があります。たまたまいつも自分だけ断られているわけではありません。その断られる理由は基本的に毎回以下のどれかがたいていは該当します。

・あなたのセールス(サービス)が気に入らない。

・あなたのセールス(サービス)に必要性を感じない。

・あなたのセールス(サービス)に魅力を感じない。

ここで言うセールスとは、いわゆる『売り込み』の工程だと捉えてください。

さて、では何が問題なのでしょうか? 営業をやっていれば誰にでも当てはまりそうな理由です。

回答の前に、先にデキる営業マンがすんなりモノが売れる理由は……。

・この人と付き合っているとプラスになりそう。

・この人に任せておけば問題を全部解決してくれそう。

・この人なら長く付き合えそう。

ここで注目してほしいのは、理由の中に「セールス」が無いこと。

意外かもしれませんが「断られる営業」と「断られない営業」の差はセールスの能力の差ではないということです。つまり営業でモノがすんなり売れる人は、セールスが上手くて成果が出ているわけではないということです。

では差って一体なんなのか? それは…。

・成果が出ない人は、目先の商品を売るためにセールスする。

・成果が出る人は、目先の商品ではなく自分との未来を売る。

この違いです。簡単にいうと、『売り込み』をしなくてもモノは売れるということです。

得意なやり方で、クレームもなくせる

顧客と長く付き合うために必要なこと。それは”売り込み”をしないこと。 断られる人はみんな自分よりも「商品」を売り込んでいます。だから相手に嫌がられて断られる。 商品を売るために止むを得ずにやっている「売り込み」という行動が、逆に断られる原因になっているなんて……

では、どうすれば売り込みをせずに「断られない営業」を実現できるのかというと、まずは営業の考え方をこんな風に変えてみるとわかりやすいです。

自分の商品に相手の”欲しい”を無理やり結びつけるのではなく、相手の抱えている”課題やストレス”を聞き出して、その解決方法を提供する。

あなたの都合で無理に相手を説得しようとしても、商品は売れません。たとえ売れたとしても、相手には「まんまと売り込まれた~」という気持ちが消えないもの。だから商品やサービスにちょっとでも不満があると「それ見たことか!」と烈火のごとくクレームが入ります。

でも逆に、相手のことを深く知ろうとすると、話は変わってきます。見込み客自身が、自分が抱えている課題やストレスを改めて自覚してくれるはずです。そんな時にあなたが、問題の解決策を提供すれば、相手は自分のほうから「詳しく聞かせてほしい」とまさかの逆オファーが生まれます。

ここでのポイントは「売り込もう」としないで「相手の役に立ちたい」という姿勢でいることです。

「相手としっかり付き合いたい」という気持ちを持つあなたの想いは、むしろしっくり来るやり方のはずです。相手を「やり込めよう」とか「丸め込もう」という気持ちは、相手に見透かされます。同じように、相手に「尽くそう」とする姿勢も相手の心に染み込んでいくのです。

 

断られない営業はこうやって準備する

商談の時に、相手の抱えている課題やストレスだけではなく、できるだけ多くの情報を手に入れることは「断られない営業」を実現する重要な鍵になります。一見、ハードルが高そうな話に聞こえますが、実はそうでもありません。相手の情報を聞き出すのにも、効果的な方法がちゃんとあります。それを紹介します。

1.心から知りたいという姿勢で質問する

これは、具体的な方法の前段階ですが最も重要なポイント! 人の心を動かすのは同じように人の心です。上辺だけの質問をされて喜ぶ人なんてほとんどいないですよね? でも自分に敬意を持ってくれて、心から知りたいと思ってくれている人には、自然と話をしたくなるものです。

でももし、あなたが相手の心を知りたいと思えないなら……、どうしましょうか?

こたえは。無理に追わなければいいのです。心から向き合えない相手と我慢して付き合っても、いいことないですからね。

2.4つのポイントを中心に情報を聞き出す

これから紹介する4つの質問を中心に話を進めると、断られない営業に必要な情報をスムーズに手にいれることができます。

質問を中心に初めての相手と会話をはじめることで、大事な情報を無理なく聞き出し、逆オファーをたくさんいただけます。

1つ目の質問:今どんなことでストレスを抱えているか?

相手が今何に悩んでいるのかを最初に聞き出します。この情報を知らなければ何も始まりません。よりスムーズに相手のニーズを聞き出すためにも、販売商品にマッチする感じで言い回しは調整した方が伝わりやすいです。

2つ目の質問:問題を解決するとどんなことができるようになるか?

先ほども触れましたが、営業で知っておくべき大事なことは、「相手は目の前の問題を解決したいわけじゃない」ということ。顧客の望みは「希望の未来にたどり着くこと」です。だから、そのゴールが何なのかを共有することは、ものすごく大事です。

3つ目の質問:1の問題を解決するために今までどんなことをしたか?

おそらく、相手は問題を解決するために今までにも何かしらトライしたことがあるはずです。あなたにとってはライバルともいえる他の選択肢を知っておくことで、相手の求めることがより深く理解できるようになります。

4つ目:その結果どうだったか?

もし、何かしらトライしたことがあるのであれば、その結果がどうだったのかをちゃんと聞いておきましょう。結果だけではなく、何が不満だったか、何かがよかったのか、このあたりを聞いておくと、相手が問題解決するために”正解だと思い込んでいる”間違いや勘違いなんかも知ることができます。

3.質問の答えから情報を掘り下げる

質問をする時に注意するのは、回答が来たら「はいそうですか」と次の質問に簡単に移らないことです。基本的に一つ目の回答では、浅い答えしか返ってこないことがほとんどです。だから、あなたが知りたいという気持ちのままに「ということは?」「具体的にいうとどんなことですか?」といったように、質問の答えを深掘りし続けてみてください。

こちらから相手のニーズを深く掘ってあげることで、相手の答えがどんどん明確になります。そして相手自身も気づかなかった本心や本当の悩みにたどり着くことがよくあるのです。

「こうやって聞かれたのは初めてだから、逆に自分の考えがまとまってよかったよ!」

こんな嬉しい言葉をもらえるようになったらかなりの上級者ですね。

 

考え方を変えるだけでストレスも激減

繰り返しますが、自分の商品に相手の”欲しい”を無理やり結びつけるのではなく相手の抱えている”課題やストレス”を聞き出して、その解決方法を提供する。

こう考え方をシフトするだけでも、いままで感じていたストレスがだいぶ軽くなるはずです。そして、相手と心から向き合う。そんな気持ちになれないなら無理に追わない。まずは心から知りたいと思える人に、このやり方を実践してみてください。決して実現不可能な方法ではないはずです。そして、想像していたよりも相手と「繋がれた感」が得られるでしょう。

 

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中尾隼人著「営業マンは70点主義でいい」より転記編集

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